漢方医学においては、病気の原因を探る際に患者さんの臭いも重要なヒントとされています。
なぜなら、臭いは臓器と関連しているからです。
臭いの質を「あぶらくさい」「こげくさい」「かんばしい」「なまぐさい」「くされくさい」の、5種類のカテゴリーに分け「五臭」と呼んでいます。
まず、「あぶらくさい」という臭いは肝臓からのサインです。この臭いは、漢方医学の世界では獣肉の臭いと表現されます。
次に、「こげくさい」という臭いは焦げた肉の臭いであり、心と関連しています。
「かんばしい」という臭いは、「黍(きび)」と「甘」という二つの文字で成り立つ漢字からもわかる通り、キビの甘い香りと表現されます。
「なまぐさい」という臭いは、生魚の臭いであり、肺と関連しています。
最後に、「くされくさい」という臭いは、腐敗した臭いであり、腎と関連しています。
漢方医学の興味深いところは、自分自身が気づいていない臭いまでもが原因を知るヒントになることです。
口臭や体臭、加齢臭など、具体的な臭いを知ることで、どの臓器がよりダメージを受けているかを推測することができます。
本人が語らなくても、臓器は私たちにメッセージを送ってくれているのです。
ご自身やご家族、友人知人の体調を知る際には、臭いも重要な要素として考慮してみてください。
臭いから得られる情報は、病気の早期発見や予防に役立つかもしれません。