「過ぎたるは及ばざるがごとし」と同じような意味を持つ「大過不及(たいかふきゅう)」という漢方の言葉は、多すぎることも足りないことも良くないという意味を持ちます。
漢方の世界でも、中庸の理論が重要視されています。
例えば、白い色で辛い味の食べ物を考えてみましょう。
そこで出てくるのは、大根キムチなどでしょう。
白い色は肺に作用し、辛い味も同様に肺に作用します。
しかし、もっとも大切なことは適量を守ることです。
適量を食べることで、その臓腑を元気にすることができますが、逆に多すぎると連動している臓腑を傷つけてしまうことになります。
肺がつかさどっているのは、皮膚や鼻、大腸などです。
たとえば、大根キムチを食べ過ぎると、激しいぜんそくの発作や皮膚のかゆみ、呼吸がしにくいほどの鼻づまり、腹痛を伴う下痢などの症状が起こります。
これらの症状は、多すぎると連動する臓腑にダメージを与えてしまうからです。
また、辛いものや白い精製した食べ物がお好きという方に、ぜんそく、鼻炎、皮膚炎の人が多いという事実があります。
もちろん、完全に食べてはいけないわけではありませんが、自分の体調や料理に合わせて適量を見つけることが重要です。
「大過不及」の精神を実践し、もうちょっと食べたいけれど、適量を守って満足することが、健康で過ごすために大切なことであると考えています。
自分自身の体と対話し、ちょうどいい量を見つけることで、体質改善の手助けになることでしょう。