漢方医学と深く接することで、– 私たちは自然の一部である – ということを直感的に理解できるようになります。
「季節」と「身体」の関係性はそれほど親密です。
私たちの身体は、季節が移り変わるごとに、連動する臓器が事前にエネルギーを高めて対応してくれます。
その理由は、連動する臓器は特にダメージを受けやすく、負担を強いられる可能性を知っているため、変化に備えて調整しているのです。
立夏を迎えているこの時期は、「心 (しん)」が特にやられやすい状態です。
心は血脈と関連があり、したがって熱中症をはじめ血管や血流に関するトラブルが多く発生します。
次に、秋になると「肺 (はい)」が関わってきます。
ぜんそくや鼻炎、アトピー性皮膚炎などが悪化しやすい季節です。
冬には「腎 (かん)」が重要な役割を果たします。
排泄に関するトラブルや膀胱炎などが起こりやすくなります。
そして春には「肝 (かん)」が影響を受けやすくなります。
解毒機能のトラブルやホルモンバランスの不安定さ、イライラやうつ症状の増加などが春の特徴と言えます。
年に4回ある土用の季節では、「脾 (ひ)」がダメージを受けやすいため、暴飲暴食には注意し、甘いものの摂取も控えた方が良いでしょう。
夏真っ盛りのこれからは、心の負担を減らすために、心構えが必要です。
具体的なアドバイスとしては、水分補給をしっかりと行い、汗をかくことが重要。
また、血流の滞りを防ぎ、邪熱を冷ますために、苦い味や赤い色の食べ物を摂取することも、心の活性化に役立ちます。
近年の異常な暑さは、私たちの命に深刻な影響を与えることがあります。
必要に応じて心のエネルギーを補給しながら、血液の流れの滞りを解消し、円滑な循環を促すために、漢方薬の利用も考慮すべきです。
是非、季節を意識して生活してみてください。