2023年6月28日

「夏の風邪と臓器の関係」

夏の時期に風邪をひいてしまうと、なかなか治りにくく、不調が続くことがあります。
実は、夏の風邪の原因のひとつは <冷え> です。

 

特に、日常的に欠かせないクーラーの冷気が関係しています。
日中だけでなく、寝ている間も一晩中冷たい空気を吸い続けるため、鼻や口から冷気が肺に入り全身が冷え切ってしまうのです。

このような生活が数ヶ月間続くため、内臓や体の芯がじっくりと温まる機会が少なくなり、冷えがなかなか取れず、その結果、夏の間中ずっと不調が続くことも多いのです。

 

こういった状況は、各部位と臓器のつながりを考えれば理解しやすいかもしれません。

 

漢方医学では、臓器の入り口のような役割を果たす器官を「五窮」と呼んでいます。
※穴という意味の「窮」という言葉で表しています。
それぞれ「鼻」、「唇」、「眼」、「舌」、「耳」の五つがあります。

 

たとえば、食べ過ぎると胃の不調だけではなく、唇の周りや口の中にトラブルが生じることがあります。
これは、「脾」、胃、唇がつながっているためです。

 

同様に、「眼」と「肝」もつながっており、「肝」の疲れが眼に現れることがあります。
また、「舌」と「心」も関係があり、舌の状態から全身の血流の状態を確認することができます。

 

大きな不安や恐怖を経験すると、おもらしをしたり一時的に耳が聞こえなくなることがあります。
これは、恐怖の感情が「腎」、「膀胱」、「耳」と関連しているためです。

 

漢方医学の興味深いところは、体のすべてがつながっている一体物として捉えられるという点です。
五臓の状態を五つの穴を通して自分自身の目で確認することで、体のバランスや健康状態を把握することができます。

 

この知識をぜひ活用してみてください。