2023年7月19日

「土用の丑の日から秋へ―季節の変わり目を健康に過ごす方法」

7月30日(日)に訪れる「土用の丑の日」は、一般的に夏の暑さを乗り越えるためにうなぎを食べ、精力をつけると認知されています。
しかし、実は「土用」とは、ただ1日だけを指すのではなく、期間全体を表す言葉であり、季節を表すものなのです。

 

漢方医学では、「春」「夏」「秋」「冬」「土用」の5つの季節を『五季』と呼んでいます。
土用は、季節と季節の間にある期間であり、約18日から19日間続きます。
具体的には、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日までが土用の期間であり、年に4回訪れるのです。

 

ちょうど、明日から土用の期間が始まり、8月7日(月)まで続きます。

 

今後の土用の日程は以下の通りです。
2023年10月21日(土)から11月7日(火):秋の土用
2024年1月18日(木)から2月3日(土):冬の土用
2024年4月16日(火)から5月4日(土):春の土用
2024年7月19日(金)から8月6日(火):夏の土用

 

土用は、五行において五つの要素(木・火・土・金・水)のうち、土にあたる「脾」が主役となる期間です。
この期間を利用して、黙々と働き続けてくれている内臓、特に「脾」と胃に感謝し、少しでも休ませてあげることは、体の定期メンテナンスとして重要なのです。

 

夏の土用が終わると、翌日の8月8日からは秋が始まります。
暑さが本格化する時期に秋と聞いてもイメージがつかないかもしれませんが、体は季節に合わせて準備をしてくれています。

 

夏真っ盛りの時期でも、以下のようなことに気を付けながら過ごすことで、体調を崩さずにスムーズに秋冬に移行できます。
・クーラーで体を必要以上に冷やし過ぎない
・冷たいものを過度に摂取して内臓を冷やし過ぎない

 

土用は、季節と季節の間に存在する準備期間として捉えることができます。
この期間を意識して過ごすことで、自然治癒力を引き出すことができると考えられます。

 

それぞれの季節に合わせた生活を心掛け、健康に過ごしましょう。