2023年7月26日

「五季の奥深さ:土用も季節のひとつ」

「なぜ土用は1年に4回もあるのか?」、「なぜ土用を季節として考えているのか?」――今回は、これらの疑問について掘り下げて考えてみたいと思います。

 

まず、漢方医学では土用期間も季節として位置づけられます。私たちが一般的に知っている春夏秋冬の季節とは別に、約18日間程度ずつ存在するのです。

 

五季について考えるために、2023年の1年間を見てみましょう。

立夏(2023年5月6日)から立秋(8月8日)までの夏の期間は94日間ありますが、この最後の19日間が夏の土用になります。つまり、季節の最後に土用が訪れるのです。

 

現在(2023年7月26日)は、ちょうど夏の土用の真っ只中です。夏(75日間)に夏土用(19日間)が加わることで、一般的に私たちがイメージする「夏」となるわけです。

 

同様に、秋(74日間)に秋土用(18日間)が加わり、「秋」が形成されます。冬(70日間)に冬土用(18日間)が加わることで、「冬」となります。そして、春(72日間)に春土用(19日間)が加わることで「春」として完結します。

 

ここで、先ほどの五季の日数をすべて足してみましょう。夏75日+秋74日+冬70日+春72日+土用74日(土用74日とは夏土用19日、秋土用18日、冬土用18日、春土用19日を足しました)。五季の日数を合計すると365日間になります。つまり、これが1年間となるわけです。

 

ちなみに、来年2024年はうるう年なので、五季の日数を合計すると366日になります。

 

覚えておいていただきたいのは、春・夏・秋・冬・土用という五つの季節は平均して約73日ずつあるということです。ただし、先ほどの2023年の例と同じく、73日ずつが均等に配分されることはありません。それでも、「五季はそのように構成されて1年となっているんだな」「土用も季節のうちのひとつなんだな」と理解していただけると、自然の移り変わりを感じながら季節に密着した生き方ができるのではないかと考えています。

 

漢方医学が伝える五季の奥深さを知ることで、土用もまた立派な季節であることがわかり、季節の移ろいをより深く理解できるのではないでしょうか。