2023年8月2日

「自然との繋がりを感じる土用の丑の日と間日① – 先人の知恵が息づく風習」

自然と人間の繋がりを感じる日本の伝統的な風習、「土用の丑の日」にまつわる話は興味深いです。

 

土用の丑の日は、夏の土用期間中に1度か2度やってくる特別な日です。

 

なぜこのような風習が存在し、そして土用期間中には土いじりを避ける必要があるのでしょうか?

 

土用という言葉は、惑星(土星)やローマ神話を由来とする曜日の「土曜」ではなく、漢方医学で用いられる「土旺用事(どおうようじ)」からきています。
土旺用事は「脾(土)の働き(用)がさかん(旺)になる期間(事)」を意味し、これが省略されて「土用」と呼ばれるようになったとされています。

 

土用期間は合計約73日間にわたり、肉体的には脾の活動が活発になる時期ですが、自然界では土をつかさどる神様(土公神・どくじん、又は、どこうじん)が主役となる期間です。
そのため、土にまつわることを行う行為(地鎮祭、建築、井戸掘り、庭木いじり、引っ越しなど)は避けるべきとされています。これは土の神様の仕事を邪魔しないためです。

 

土用期間中にも土の神様が地上を離れる「間日(まび、又は、かんじつ)」と呼ばれる日があります。
夏の土用の場合、卯・辰・申の日が間日とされ、この日には土にまつわることをしても心配がないとされています。

具体的にはそれぞれの季節で
・春土用は巳・午・酉の日
・夏土用は卯・辰・申の日
・秋土用は未・酉・亥の日
・冬土用は寅・卯・巳の日
と決まっています。

土いじりを例外的に認められている日です。

 

先人たちは自然のサイクルを重んじ、このような知恵を持っていたのです。

 

(つづく)